虫歯や歯にできたひび割れなどから根管に細菌が侵入してしまうことが原因です。
ですので根管治療では、基本的には細菌の感染経路を特定して細菌感染を除去し、そして再度感染しないようにしっかりと封鎖をすることが目的になります。
歯の痛みや腫れなどの症状がでる病気のなかで、
歯の根の内部(根管)に細菌が感染しておこる原病気があります。
この歯の根の病気の治療を
"根管治療"と呼びます。
虫歯や歯にできたひび割れなどから根管に細菌が侵入してしまうことが原因です。
ですので根管治療では、基本的には細菌の感染経路を特定して細菌感染を除去し、そして再度感染しないようにしっかりと封鎖をすることが目的になります。
根管治療で細菌を除去しきれず、症状が続く場合は抜歯や外科的な根の切除が必要になります。血液が循環している場所で有れば細菌を減らすことが抗菌薬の内服や点滴で可能な場合もあります。
しかし一度感染を受けた細い歯の根管内部では豊富な血流をもたらす血管は破壊されてしまっています。血流は遮断されており内服薬の効果は期待できませんので、直接的に細菌を除去する必要があります。
ここで問題なのは細菌が感染している歯の根の内部(根管)の形態は非常に複雑かつ狭い場所であるということです。
多くの特殊な器具、薬剤を用い、視野をマイクロスコープ(4倍~20倍程度)で拡大し、最後に確実に密封する処置を施さなければ、長期的に歯を良い状態に保つ治療を行う事はできません。
図の様に細菌が根の内部の管や顎の骨の内部に侵入すると病変が生じ、痛みや腫れが発生します。
病変を治療するには内部の複雑な管を清掃することが必要です。
左は抜いた歯に墨汁を長時間浸して歯の根の管を染め出した図です。右の歯は管の内部を3Dイメージ化した図です。両方の歯とも歯の根っこは2本ですが根の中の管の走行は非常に複雑です。
このような複雑な構造の内部に感染した細菌を除去するためには、マイクロスコープで強拡大した視野下で多種多様な器具と薬剤を用いなければならないのです。病変を治療するには内部の複雑な管を清掃することが必要です。
〜科学的根拠に基づいた診査診断を行います〜
歯の抱えている問題を的確に診査診断し、治療の内容、予想される治療の成績、
治療後に関する説明を科学的根拠に基づきお示しします。
ラバーダムの使用、隔壁の作成、仮封の徹底、滅菌器具を使用、ディスポ製品の使用処置をするのは口の中です。
口腔内は細菌が多数存在し不潔な領域です。
歯の根の内部を清潔にしていくためには、ラバーダムを用いてまず治療歯を不潔な環境から隔離する必要があります。
写真の様に薄いゴムのカバーを歯に被せて、治療歯を隔離します。いままでラバーダムを使用した治療をお受けになられたことはありますか?
この処置は特別なものではなく、世界的には基本的に行うべき処置として当然とされているものです。新たに歯の内部に細菌が侵入しうる状態では今すでに歯の内部に感染している細菌を減らすことはできないのです。
ラバーダム防湿は必須の処置ですが、日本では実施率が非常に低いです。必ず使用する日本の一般歯科医の割合は5%以下との報告があります。
保険診療でラバーダムの使用は一切定められていない事が背景にあります。
複雑な歯の根の内部の空洞を、マイクロスコープやルーペを用いた拡大視野下でよく観察し、虫歯の部分や、細菌が感染している組織、以前の治療で詰めてある古い薬などの病原因子を除去します。根の内部の管の構造と走行は非常に複雑で、網目状に歯の根の内部に分布しています。一度細菌が侵入すると除去することが非常に難しくなります。
肉眼では小さく確認ができない歯の内部の構造も、スコープで8~25倍程度拡大することで非常にはっきりと捉えることができます。視野を拡大することで複雑な根の内部から病原因子を除去していくことが可能になります。
また細菌が感染している根の内部の曲がりくねりを克服して病原菌を排除する必要があります。
柔軟性を兼ね備えた特殊な合金(NiーTI製合金)製の器具でないと確実に病原因子を除去することができません。
拡大視野下にて右下写真のようなNi-TIファイルという器具を複数使いながら細菌などを排除していきます。
従来の2次元的なレントゲン写真ではわからなかった、歯根内部の構造や病変の存在部位などをCBCTにより3次元的に評価し診断します。
歯と周囲の骨の状態を3D像で把握できるためどこを処置すべきなのかが明確に把握できるようになり診断と処置の精度が向上します。
洗浄して綺麗になった歯の根の内部に細菌が再び侵入しない様に緊密に封鎖します。
MTAセメントを代表とする密封性が高く、臨床成績が非常に高い材料も種々開発されよい成績をあげていますが、保険診療での使用は認められていません。(バイオセラミックシーラーの使用、NiTi合金ファイルの使用)
歯の根の治療の完了後、歯の土台を構築し、最終的に被せ物による歯の頭部分(歯冠)の修復を行って噛むという歯の機能を回復していきます。
しかし歯の根や土台と被せ物の間の継ぎ目が大きいと細菌が再度隙間から侵入してしまい、再発のリスクが大きく上がります。歯の土台との緊密に適合する被せ物を装着する高精度の治療が治療の成功率を高め、あなたの歯を長期的に守っていく上で非常に重要です。
基本的なコンセプトを遵守し、必要な時間を確保して治療します。これらの処置を的確に行うための時間を確実に確保して治療を行います。最短で90分の治療予約が2回ほど必要となります。
最後に自由診療でご提供する根管治療では、必要な器具材料をそろえ十分な時間を確保したうえで科学的エビデンス(根拠)に基づいた世界的に標準的な手法を用いて行います。